大半は、愚痴をぐだぐだ、書くところ。たまぁに絵も、あるけれど。たいしたことは、ないのですよ?
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見えざる腕
2000-04-13 Thu 04:17
眠れぬ宵は路地裏の
淫らな<牝猫-シャト>に八つ当たりして
嗚呼 見えざるその腕で首を絞める《夢幻影-ファントム ドゥ レーヴ》
壊れゆく<自我-エゴ>の痛み
狂えぬ酔いは屋根裏の
小さな<居城-シャトー>を転げ回る
嗚呼 見えざるその腕の灼ける痛み
《幻肢痛-ファントム ドゥルール》
安酒を浴びて眠る

「アルヴァレス将軍に続けー!」

黄昏に染まる古き獣の森…
戦場で出逢った二人の男…
金髪の<騎士-ローラン>…
赤髪の騎士…
争いは廻り…屍を積み上げる…
加害者は誰で…被害者は誰か?
斜陽の影に刃は緋黒く煌めいて―

片腕と共に奪われた彼の<人生-サ ヴィ>
仕事は干され恋人は出ていった
何もかも喪った奪われた最低な<人生-ラ ヴィ>
不意に襲う痛みに怯える暮らし

ル プリュ スヴァン
貴方はうなされ殴るから
私は此の侭じゃ何れ死んでしまうわ
オ ルヴォワール
貴方を誰より愛してる
それでも お腹の子の良い<父親-ペール>には成れないわ

<葡萄酒-ドゥ ヴィン>…
<発泡葡萄酒-ドゥ シャンパーニュ>…
<蒸留葡萄酒-ドゥ オドヴィ>…

嗚呼…眠りの森の静寂を切り裂き
また奴が現れる―

馬を駆る姿 正に悪夢
赤い髪を振り乱して 振う死神の鎌
首を刈る姿 正に風車
緋い花が咲き乱れて 奮う精神の針
闇を軽く纏った―

夢から醒めた現実は
其れでも尚も悪夢(ユメ)の中
故に 其の後の彼の人生は
酒と狂気 廻る痛みの中
左の頬に十字傷 赤く燃える髪に鳶色の瞳(メ)
奴を殺せと腕が疼くのだ
『見えざる腕』が疼くのだ

誰が加害者で 誰が被害者だ
死神を捜し葬ろう

「殺してくれる!!」

<騎士-シュヴァリエ>は再び馬に跨がり
時は黙した世界を移ろう―
異国の酒場で再び出逢った二人のローラン

隻眼にして隻腕 アル中にしてヤク中
嗚呼 かつての蛮勇 見る影も無く

不意に飛び出した男の手にはエペ ノワール
(「退け。」「うわぁっ!」)
周囲に飛び散った<液体-サン>
まるでピノ ノワール
(「なにもんだキサマ…んっぐああああ」)
刺しながら供された 手向けの花の名―ボンソワール
(「ボンソワール」)
抜きながら灯された 詩の名―オ ルヴォワール
(「オ ルヴォワール」)
(「ははははははは……」)

崩れ落ちた男の名はローラン…
走り去った男の名はローランサン…
もう一人のローランは唯
呆然と立ち尽くしたまま…

誰が加害者で 誰が被害者だ
犠牲者ばかりが増えてゆく
廻るよ廻る 憎しみの風車が
躍るよ躍る 焔のように
嗚呼 柱の陰には少年の影が
鳶色の瞳(メ)で見つめていた

(人生は儘ならぬ されど、
この痛みこそ私の生きた証なのだ)

復讐劇の舞台を降ろされ…
男は考えはじめる…
残された腕…残された人生…
見えざるその意味を―
杯を満たした葡萄酒…
その味わいが胸に沁みた…

「其処にロマンは在るのかしら?」

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