大半は、愚痴をぐだぐだ、書くところ。たまぁに絵も、あるけれど。たいしたことは、ないのですよ?
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エルの天秤
2000-04-13 Thu 03:48
買収…窃盗…誘拐…密売…

悪魔に魂を売り渡すかのように
 金になる事なら何でもやった
問うべきは手段では無い
その男にとって目的こそが全て
切実な現実 彼には金が必要だった

傾き続けてゆく天秤 その左皿が沈み切る前に
力づくでも浮き上がらせるだけの金が右皿には必要だった
そしてその夜も天秤は仮面を踊らせる

闇を纏うように夜の静寂<シジマ>を探り
メとメを見つめ合って
ロマンティックな月灯りに
そっと唇重ね 息を潜めた

慌ただしく通り過ぎる追っ手達を遣り過ごし
手と手を取り合って
ドラマティックな逃避行に
酔った二つの<イノチ> 愛に捧げた

さよなら(権力の走狗どもには便利なカード)
さよなら(娘を売れば至尊への椅子は買える)

身分違いの恋 許されないと知っても
<お>と<め>は惹かれ合った
サディスティックな貴族主義を
蹴って檻を抜け出す 嗚呼それは悲劇

運命のボードの上で支配力を求めて
生と死は奪い合った
ドラスティックな追悼劇を笑う事こそ人生
嗚呼むしろ喜劇

さよなら(コインで雇った者が裏切る世の中)
さよなら(他人ならば不条理と責めるは惨め)

楽園への旅路 自由への船出
逃走の果てに辿りついた岸辺
船頭に扮した男が指を鳴らすと
黒衣の影が船を取り囲んだ

「お帰りの船賃でしたらご心配なく
既に充分すぎるほど戴いておりますので
けれども彼は ここでさよなら」

「残念だったね…」
「娘さえ無事に戻るならばそれで良い
オトコの方など<バラ>しても構わんわ」
一度も目を合わせずに伯爵はそう言った
コインの詰まった袋がテーブル叩いた

いつも<ヒト>は何も知らない方がシアワセだろうに
けれど<ヒト>を求める限り全てを知りたがる
何故破滅へと歩み出す?

華やかな婚礼 幸せな花嫁
運命の女神はどんなシナリオを好むのか
虚飾の婚礼 消えた花嫁
破滅の女神はどんな綻びも見逃さない
嗚呼 燃えるように背中が熱い
その男が伸ばした手の先には
何かが刺さっていた
嗚呼 緋く染まった手を見つめながら
仮面の男は緩やかに崩れ落ちてゆく
嗚呼 その背後には娘が立っていた
凄まじい形相で地に臥せた男を凝視していた
嗚呼 1歩後ずさり何か叫びながら
深まりゆく闇の彼方へと走り去ってゆく

徐々に薄れゆく意識の水底で
錆付いた鍵を掴もうと足掻き続ける
扉は目の前にある
急がなければ もうすぐ
もうすぐ約束した娘の―
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