大半は、愚痴をぐだぐだ、書くところ。たまぁに絵も、あるけれど。たいしたことは、ないのですよ?
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エルの絵本【魔女とラフレンツェ】
2000-04-13 Thu 03:39
如何にして楽園の扉は開かれたのか

鬱蒼と茂る暗緑の樹々
不気味な鳥の鳴き声
ある人里離れた森に
その赤ん坊は捨てられていた幸か不幸か
人目をはばかるように捨てられていたその子を拾ったのは
王国を追われた隻眼の魔女
<クリムゾン>のオルドローズ
銀色の髪に緋色の瞳
雪のように白い肌
拾われた赤ん坊はいつしか
背筋が凍る程美しい娘へと育った
流転こそ万物の基本
流れる以上 時もまた然り
二つの楽園を巡る物語は人知れず幕を開ける

「ラフレンツェや…忘れてはいけないよ」

銀色の髪を風になびかせて
祈るラフレンツェ 死者の為に
小さな唇が奏でるレクイエム
歌えラフレンツェ <トワ>に響け

時を喰らう<大蛇-セレベンス>
灼けた鎖の<追走曲-カノン>
狂い咲いた<曼珠紗華-リコリス>
還れない<エリュシオン>
蝋燭が消えれば渡れない川がある
始まりも忘れて終わらない<ソラ>を抱く
(Creature's voice,オノレ ラフレンツェ)
悲痛な叫びのハーモニー
(Un-satisfied, ニクキ ラフレンツェ)
呪怨の焔は燃ゆる

儚い幻想と知りながら聖者は彼岸に楽園を求め
死者もまた還れざる彼岸に楽園を求める
彼らを別つ流れ
深く冷たい冥府の川
乙女の流す涙は永遠に尽きることなく
唯 嘆きの川の水嵩を増すばかり

少女を悪夢から呼び醒ます美しき竪琴の調べ
悲しい<メ>をした弾き手
麗しきその青年の名は…

「―ラフレンツェや 忘れてはいけないよ
お前は冥府に巣くう亡者どもの手から
この世界を守る為の最期の門の番人
純潔の結界を破られてはいけないよ」

祖母が居なくなって唇を閉ざした
吹き抜ける風 寂しさ孤独と知った
彼が訪れて唇を開いた
嬉しくなって誓いも忘れていった
それは手と手が触れ合った 瞬間の魔法
高鳴る鼓動を小さなベルを鳴らす
瞳と瞳見つめ合った 瞬間の魔法
禁断の焔 少女は恋を知った

一つ奪えば 十が欲しくなり
十を奪えば 百が欲しくなる
その焔は彼の全てを灼き尽くすまで消えはしない

「ラフレンツェや 忘れてはいけないよ…」

愛欲に咽(ムセ)ぶラフレンツェ
純潔の花を散らして
愛憎も知らぬラフレンツェ
漆黒の焔を抱いて
彼は手探りで闇に繋がれた
獣の檻を外して
少女の<胎内-ナカ>に繋がれた
冥府の底を堕りてゆく

近づいてくる足音 やがてオルフェウスが
エウリュディケの手を引いて暗闇の階段を駆け上がって来る
けれど少女は裏切りの代償として
残酷な呪いを歌った
嗚呼 もう直ぐ彼は…彼は振り返ってしまうだろう

魔女がラフレンツェを生んだのか
ラフレンツェが魔女を生んだのか
物語はページの外側に…-
かくして…楽園の扉は開かれた

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